縦型キャビネット

檜の無垢材をふんだんに使ったキャビネットです。依頼主からの、リビングの窓枠やコンセントをギリギリ避ける寸法でとの要望に合わせピッタリサイズで設えました。天板も無垢材も全て檜で、30mmの厚さで木目の繋がりも良い迫力です。無垢のままの檜の状態と、汚れを回避し木目を際立たせる為いつもの蜜蝋ワックスで仕上げた写真を縦に並べてます。


組み上げ前の材はこんな感じです。乾燥はかなり進んでますが厚材ならではの長期間の反りとの戦いも見据え、将来の調整がしやすい様、天板と側板など大きな部品は埋め込みボルトを使ってます。

狭小文庫&CD棚

昨年末作成と納品した檜の厚板による本棚の横に設置するという事で、ジャストサイズの棚を作りました。文庫本とCDがそれぞれ2段づつ格納でき前回同様全て30mmの無骨な趣です。

まず、近所の木材問屋のアウトレットから17cm幅、厚さ30mm長さ2mの材を仕入れてきました。本当は前回使った20cmの檜を使いたかったのですが、100本以上残っていた山はすでに売却済みの紙がついていました。担当の方にお聞きしたところホームセンターがウッドショック懸念で在庫を多めに抱えているようです。そこでワンランク小さい17cm材を25枚ほど確保して乾燥を進ませながら、木材高騰を乗り切って行きたいと思案しています。

前回の棚の製作で僅かに残っていた20cmの板は上下の天板で使う事にします。それにしても節がほぼない綺麗な檜です。

ある程度乾燥は進んでいるようですが、この厚さの板が反って行った場合は調整が難しいので、それぞれの部分には大入のホゾを切っておく事にしました。

組み上げ後は前回同様、蜜蝋で自然な無垢材の印象を残しています。尚背面はCDを入れても全面に出ないように、1cmだけ奥板を後ろにずらしました。面白いアクセントになってのではと思います。上二つはCDサイズ、下二つは文庫本サイズですが、デザインや仕上げはシンメトリーなので、上下逆さにしても使えます。この辺りは大入ホゾのメリットですね。

まな板用檜厚板による本棚

時々木材の調達に使っている木材のアウトレットで、新たに3cm厚の檜材を仕入れました。木材の卸ではこの会社は日本最大級なのですが、たまに小ロットのだぶつきた在庫の保管場としていい材料が市況の半額以下で手に入ります。車で20分位にあるのはありがたい限り。

ありがたくもご依頼いただいた本棚の制作に入手した3cm厚の檜を使う事にしました。天板にはオーディオを置かれるとの事で、揺れに対する堅牢さも思慮しました。まな板にも使える綺麗で立派な材です。

先にイメージパースを作り、依頼主とサイズを確定させました。当初は横1mのご希望でしたが車での移動を考慮し60cm長に落ち着きました。

立板、側板棚板も予め組んで長さを切り揃えて調整します。

大量の棚ボタを使った為に組み上げに相当難儀しましたが、最後1tの荷重がかけられるクランプを使いなんとか嵌め込みました。なかなかの迫力です。無垢の一枚板はなんとも豪華です。

総檜机

普段お世話になっている方から机のご要望を頂き、デザインを色々相談した上で数日かけて設えました。

節なしの15mmの板材を予てから確保していたのでそれで天板を作り、また30mmの乾燥材を丸鋸で正確に90°で切り出し安定感のある脚の部材も確保できました。長い利用の中で無垢の木ならではの縮みと反りをどのように避けられるかが一つのチャレンジでしたが、大量のダボとビスケットを配置して、最後2tの負荷がかけられるクランプで強力に接ぎ、いい感じの天板になりました。

使っていく段階で乾燥による緩みが出ないように、天板と脚部だけは埋め込みナットを使ったボルトでの接合にしました。黒いボルトヘッドは白木の檜といいアクセントになっています。脚部は蜜蝋ワックスで白木の檜の良さを残しています。一方天板は熱いコーヒーカップを置いてもシミにならないような、アサヒペイントの2液混合耐熱用のウレタンニスを塗りそれから耐水ペーパーを段階的に上げて最後2000番まで磨きツルツルになりました。ほのかに向こうの林が映っています。

My important Client gave me a real photo enjoying entertainment contents on this desk. He is also producing wonderful songs there. I am happy if I could contribute a little to this activities.

玄関框台

玄関での立ち上がりを支援する為の台を作りました。昭和の家は框がそのまま腰掛になりお喋りできる位の高さがありましたが、最近の家ではせいぜい10cm位、おしゃれなマンションでは框すらなく同じ高さの大理石などオシャレな作りが増えています。玄関で接客するしきたりも、オートロックで押し売りや勧誘がなくなったのはいい事ですが、膝の負担は中々です。そこで10cmの框の高さを考えた高さ20cmの玄関用立ち上がり台を作りました。杉材のオイル仕上げで暖かみもあります。下にはスリッパも入れられます。

画帳入れ

少し前ですが母が数十年書き溜めた画帳を収める箱も作りました。檜の枯れた艶がステキな箱で一旦3つ作りました。

同じく50年物の檜の校倉棚にもいい感じで収まります。あと20年分くらいの画帳は余裕で入りそうですが、簡単に作り足すこともできる事も、また箱単位で手元に置いてみれるのも箱家具のメリットです。

大型モップ置き台

最近自動掃除機(ルンバではない、Amazonプライムデーの激安品)を買い、外出中に埃を取らせていたのですが、床拭き用のモップにからまり掃除断念の事態が発生していたので、モップスタンドを作りました。25cmの少し重めの杉の単板を切って自重で立つように仕上げています。庭の落ち葉や壁の色とも合い、中々の秋らしい感じです。

開放型スピーカー利用でのイコライザー効果

いわゆる住宅街と異なり、那須の別荘エリアは大音響で鳴らせます。またここのリビングルームも天井高6mでリスニングポジションも10m位取れ、鳴き竜ばりの全6面木材の高共鳴エリアなので、バスレフポートで低音や遅延した残響を作るのでなく、樽スピーカーの後方開放音による部屋全体の鳴りを模索しています。高反応のウーファーやフルレンジスピーカー、スーパーツイーターからの直の音と、スピーカー箱ではなく後方開放の部屋の反響音をイコライザーやチャネルデバイダでバランスよく混ぜて仕上げたい所です。

YouTubeなどでも一畳位の板状の開放型スピーカーを鳴らしている画像や音声がありますが、どうしても中間音だけが目立っていて、正直プラスチックケースの古いラジカセみたいです。声量のある歌手の肉声やジャズのベースの艶やかな再現には結局、曲毎の積極的なイコライザー補正や、スピーカーの後方開放を変化させる事が結構有効で、また楽しくここでのオーディオの新しい楽しみ方にもなっています。

実際の聴感で各帯域の音に強弱は明らかながら、試しに測定値でも見てみました。イコライザーの1番下の帯の55HzをPCから正弦波で発生させ、実際のスピーカーの音をマイクで拾い周波数特性帯を表示させました。最初はFostex 18cmフルレンジの樽スピーカーのみ、真ん中はチャネルデバイダとアンプ経由の30cmのウーファーを加えたもの、最後は元の音源の55Hz部分をイコライザーで増強したものです。

同様な効果は高音域でも確認できました。ターゲットの周波数近傍の音圧も一緒に増えているのは、真空管イコライザーの為なのか、周波数特性を表示するソフトウエアの回帰式の影響なのか、信号線上のバックグラウンドの増幅の為かは不明ですが、追々調べていきたいと思います。

いずれにしても今回のイコライザーによる周波数別のメリハリと、後方開放状況の制限(吸音材や穴の開閉で対応)で音楽の印象はかなり変えられる様です。

最近楽曲ではわざと歪み音を混ぜ平坦さを狙ったり、逆に一つ一つの音や呼吸音にまで細やかに気を配ったアレンジが増えてきています。また同じ音源の過去のリマスターでもハイパスやローパスをなくして今までない音が聞こえるようになったりもしています。

いい音への追求には高額オーディオでなくても、まだまだやれる事がありそうです。楽しみです。

真空管イコライザー用 檜ケース

先日作った真空管イコライザーのブリキのケースは、いかにも秋葉原で売っている自作用オーディオケースに入っている凝凝オーディオマニア感はあります。しかしながら自作の太鼓スピーカーにはマッチせず、檜のケースを作って入れる事にしました。15mmの檜の無垢材をアリ組みで箱にし、蜜蝋で塗って仕上げました。良くオーディオは見てくれも大事と言われます。自作するなら箱まで拘りたいものです。

今回の取り組みは雑音への影響が大きいPCを経由させない事も狙いでした。そこで PCではなく、Amazon Fire Stickからの取得したAmazon musicのデジタル音声をHDMIケーブル内から分離させる事とULTRA HDに対応したDACでアナログ分離する為に、ELEVIEWのHDMI分離機を導入しました。毎度の中華製なので数千円で済みました。HDMIを4チャンネル切り替えられ、5.1や7.1chのソースも使える様ですが、今回は真空管イコライザーを使う為、2chアナログでシンプルに送出します。画像はそのままTVに出されるので、Prime Videoの映画もハイレゾDACやイコライザー経由になります。

真空管式イコライザー

植木鉢格納の30cmウーファーを活かすために、真空管式のグラフィックイコライザーを作りました。これまではPC上のソフトウェアイコライザー(EQ)を使っておりましたが、PCのDACに依存する事、現在のPCの経由の音が今一つという事もあり、外部DAC後のアナログ信号に対し5分割された周波数事に増減を加える事にしました。月並みな表現ながら、ボーカルはしっとり温かみが増した気がします。

真空管やケースもセットになっているキットなので、全く難しくありません。単管ながら、内部は双極でステレオ信号をそれぞれコントロールできます。真空管アンプの完成メーカーとしても有名なLUXMANがこんなに安く手に入りご機嫌です。